【新設備紹介】めっき工程の増強
キョウデンは2021年度よりすべての工程で増産に向けた設備増強を実施しました。
今回は、その中から<めっき工程の増強設備>についてご紹介します。
デスミア(長野工場)
2021年11月に1台増設しました。
従来機は化学銅めっきラインとつながった設備でしたが、今回の増設ではデスミアと化学銅を切り離し、別々に設置をしました。材料等によるデスミア条件の違いに柔軟に対応することができ、また、前工程でバスケット挿入を自動で実施することで、作業者の負担を軽減できました。
これにより、デスミア処理のキャパシティーが約2.5倍にアップしました。
デスミアとは、レーザーやドリルでの穴あけ時に内壁面に基材樹脂が焼き付いて付着し、内層パターンと電気的な接続ができなくなるため、焼付いた樹脂(スミア)を除去(デ)する工程です。
化学銅めっき(長野工場)
2021年11月に1台増設しました。
デスミア同様、バスケット挿入の自動化により、作業者の負担軽減につながりました。
これにより、化学銅めっき処理のキャパシティーが約2.5倍にアップしました。
レーザーやドリルによる穴あけ後の内壁は基材樹脂面の絶縁物質により、そのまま電気めっきをしても銅めっきが析出しません。 化学銅めっき工程では、次の工程である電気めっき時に内壁表面へ導電性を付与するために0.1~0.3μm程度化学銅皮膜を析出させます。
スルーホールめっき(長野工場)
2022年3月に1台増設しました。
自動投入・受取機能を備えた最新装置となっており、品質面・デリバリー面でのコントロールが可能になりました。
これにより、スルーホールめっき処理のキャパシティーが約2.5倍にアップしました。
穴明けした対象穴の内壁に導電性を付与(化学銅)した後に電気めっきを20~30μm行って得られることを「スルーホールめっき」といいます。
ビアフィリング硫酸銅めっき(長野工場)
2022年2月に1台増設しました。
今まで外注に出していた工程であり、今回の設置により内製化が可能になりました。
キャパシティーは約5,000㎡となります。
ビアフィリング硫酸銅めっきとは、レーザー等で開けた深さ0.1mm程度の閉塞穴内を電気銅めっき皮膜で埋没させるめっき工法です。
ビアフィリングを用いたフィルドビアの採用により、ビルドアップ基板の小型化が可能になり、接続信頼性もアップします。