キョウデンは、EV、AGV等の充電方法の一つであるワイヤレス給電システム（停車中ならびに走行中）に用いられる銅コイル基板の開発を行っており、本技術を用いてトランス用の銅コイル基板では量産対応も行っております。

2030年のSDGs目標達成に向けて、欧米、中国では自動車のEV化が急加速しており、同時に充電インフラの拡充も必須となり、その機器として普通・急速充電器とともにワイヤレス給電システムも普及し始めております。

ワイヤレス給電システムは、2025年頃から市場が急拡大し、2030年頃には普通充電器の設置台数を上回ると言われております。現状では大半が停車中給電システムであるが、米国、中国では走行中給電システムが普及し始めております。（富士経済調べ）

ワイヤレス給電システムは、通常何層にも重ねされたコイルを主にリッツ線を同心円状に巻いて使用しております。しかしながら任意の電気特性を得られやすい反面、工数がかかり巻き方によって特性にバラつきが生じやすい、コスト高の面からプリント配線板への置き換えが検討されております。

一方で銅コイル基板はリッツ線と比べて特性面でやや難があり、電磁界解析による精密な検証ならびに高精度の基板パターン設計、製造が求められます。

これらの課題の対応として、キョウデンでは2019年から産学共同で銅コイル基板の開発を進めており、これまでに銅コイル基板を用いたトランス基板の量産化、ワイヤレス給電向けの銅コイル基板の試作開発を行っております。

図１　銅コイル基板　3Dフルウェーブ電磁界解析例（図中矢印は磁場ベクトルを示す）

図２　銅コイル基板例

急速なEV化シフトと充電インフラ拡充への対応として、当社としてもお客様のニーズに対応した新製品の開発をさらに進めてまいります。